【シャマシュ】イシュタルの兄がこんなにすごい太陽神なわけがない|考察レポ

メソポタミアの豊穣神であり、愛と美の女神としての側面も持つ「女神イシュタル」は大変逸話も多く、メソポタミア神話のみならず、ここ日本でもゲームや様々な作品に登場する人気者です。

またイシュタルの姉である「エレシュキガル」についても某FGOの影響か? 最近はぐっと知名度が上がりこれまたなかなかの人気ぶり。

しかし実は女神イシュタルにはもうひとり兄弟がいます。それが双子の兄「シャマシュ」です。今回はこのイシュタルの「お兄ちゃん」に関する考察レポートです。

お兄ちゃんは「太陽神」

まずイシュタルの家族関係には諸説あることはお断りとして。これはイシュタルが様々な神々や信仰との習合の結果、多様な側面を持つに至ったという経緯が大きい。その後世においてあの「ヴィーナス」や「アフロディーテ」のモデルとなったいう話は大変有名です。

そのためいくつかの説があるようですが、主に有名な兄弟神として、姉に「冥界の女神・エレシュキガル」、そして双子の兄として「太陽神・シャマシュ」がいます。

姉エレシュキガルについては「冥界の神」ということもあって元々あまり人気のある神様ではなかったのですが、某FGOでの共演の結果か、最近では姉妹揃って大人気、もはや語る必要もない有名女神となりました。

それに比べると日本での知名度は若干低めの兄「シャマシュ」ですが、メソポタミア神話においては中心的な神の一柱となります。

なんといってもその肩書は「太陽神」ですからね、日本神話でいう「アマテラス」クラスです。

「お兄ちゃん」は真面目で心優しい優等生

「太陽神・シャマシュ」はメソポタミア神話において、天空の神アヌ・最高神エンリル・知と創造の神エアといった主神クラスの神々と並び称される偉大な神の一柱であったとされます。さすが「太陽神」は伊達じゃない!

また「シャマシュ」は最古の英雄譚として有名な「ギルガメシュ叙事詩」にも登場。その役割は、主人公であるギルガメッシュ王の「守護神」であり、彼を加護し導く存在として描かれています。

叙事詩の中で最も人気の高いエピソードであるフンババ討伐の際にも、ギルガメシュとその友エルキドゥに力を貸し、二人の勝利に貢献しました。

また、エルキドゥに死の神判が下されることになったときも最高神エンリルを相手に最後まで反対を貫き、死にゆくエルキドゥを慰め、その死後はギルガメッシュと共に手厚く葬儀を執り行ったともされてます。

このように「太陽神・シャマシュ」は高い神格を持ちながらも、善良にして心優しき神として人間を愛し、そして広く人々に愛される神でした。

・・・いやー、メソポタミア神話きってのトラブルメーカーである妹イシュタルとはまったくの正反対、まさに「優等生」の神様だったわけですね。

「イシュタル」と「シャマシュ」の関係性は性別こそ逆ですが、日本神話における「スサノオ」と「アマテラス」を思わせ、所謂「神格の二面性」を表すものなのかもしれません。

また、エレシュキガル=ツクヨミと考えると、三すくみの神々の関係性ともとれるかもですね、はい 神話ではこうゆう共通性はたびたび見られます。

破天荒で派手好きの問題児だけど人気者「妹・イシュタル」と、それを見守る真面目で心優しい優等生「兄・シャマシュ」、この双子、なかなか物語映えしそうな兄妹じゃーないですか、きっと美男美女はテンプレでしょう。

やはりツンデレ美少女には優しい「お兄ちゃん」と若干のブラコン要素は「あり」だとおもいます、ところでこれ、なんてラノベでしたっけ?